
皆さんは、TCH(上下歯列接触癖)という言葉を聞いたことがありますか?
これは簡単にいうと、食事をしているとき以外で上下の歯が触れてしまう癖のことです。
TCHがあると、歯も顎も悪くなっていきます。
実は、食事で上下の歯が触れている時間は24時間でたった20分程度といわれていて、その中には、つばをごっくんと飲む瞬間も含まれています。
それ以外の時は歯が触れていないのが正常ですが、TCHがあるといろいろな問題が起きてきます。
私の患者さんの場合は、
・歯周病も虫歯もない歯が、奥歯が浮いたようになって噛むと痛くなったり、しみたりしてまた自然に治るということをくり返す。
・口の回りの筋肉にこわばりがある。ひどくなると顎まで痛い。
・歯がすり減って平になってくる。
このようなことが多くみられます。思い当たることがありますか?
それ以外にも、歯並びが乱れてくる、歯根が割れる、歯がグラグラしてくる、顎関節症を引き起こすなど、歯の寿命を短くする様々な要因になっています。
10年くらい前までは、一般にTCHの認識がありませんでした。
それまでは、歯ぎしり、食いしばりが問題だと思っていたからです。
上下の歯が触れているだけでこんなに大きな問題が起こるとは考えられていませんでした。
それが、今まで原因不明の痛みだったものが、TCHの考え方によって理解できて対策ができるようになりました。
TCHの治療は簡単そうに見えて、実際はとても難しいです。
なぜなら、歯をくっつける癖を治せばいいだけなのに、そもそも自覚がないからです。
私のほとんど99%の患者さんは、
「歯なんてくっつけてない、そんなことしていません。」
そう言います。これでは治しようもありません。
しかし、ひどいTCHの方の場合は、
「え!歯は普通いつでもくっついているものじゃないんですか?」
そう逆に質問される方も中にはいらっしゃいます。
私はまず、やっているか、やっていないかご自分で調べてみましょうとお話しています。
では簡単なセルフチェックで、TCHの有無を調べてみましょう。
