歯がしみるのは虫歯?

ときどき歯がしみる・・・これは虫歯?すぐ診察してもらった方が良い?

 

歯がしみるという患者さんが年々増えてきています。

虫歯か、虫歯ではないか。この違いは診察にてすぐに判断が出来ますが、治療をしても症状がスッキリ治らないこともあり、歯医者泣かせでもあります。

それは、虫歯でない歯がしみている場合があるからです。

 

では、なぜ虫歯ではないのにしみることがあるのでしょうか。虫歯との見分け方は?

 

歯科医院にかかる際に、どんな風にしみるのかを、ご自分でチェックしてから説明してくださると、より早く正確に診断することができます。

 

セルフチェックポイント

 

①どんなときに、どこがしみるのか?

・冷たいものがしみる

・熱いものがしみる

・歯ブラシをするときにしみる

・甘いものがしみる

・すっぱい果物を食べるとしみる。

 

②痛みの持続時間は?

・しみても痛みはさっとおさまる。

・食べ終わってからもじわじわと30秒以上痛む。

 

③痛みに方に周期があるか?

・痛みが1週間くらいでなくなるが、期間をあけてまた痛くなったりする。

 

これだけでも有力な情報になります。

 

では、解説です。

◎冷たいもの・熱いものがしみる。

熱いものがしみるほうが重症な場合が多いです。

特に熱いものを食べて、じわじわと痛みが持続する場合は、中の神経が死にかけている場合が多く、すぐに治療が必要です。

 

◎冷たいものがさっとしみる、歯ブラシが当たったときだけ痛い。

このような方はとても多くいらっしゃいます。

知覚過敏防止の薬をつけるなどの治療があり、定期的に薬をつけることで、症状を軽くすることができます。

 

◎甘いものがしみる。

つめものの中が虫歯になっている場合があります。

虫歯のチェックが必要です。

 

◎すっぱいものを食べた後にしみるのがひどくなる。

果物などの酸により歯の根元が溶けている場合や

、炭酸飲料の飲みすぎでも起こります。

しみるのがおさまるまで、酸味の強いものはひかえましょう。

溶けたところが再生(再石灰化)すれば、通常2週間くらいでおさまります。

 

◎痛みに周期がある。

咬みあわせが原因のことが多く、自分で気付かないうちに歯を痛めている場合があります。

 

歯に強い力がかかると、知覚過敏が起こります。

ひどい場合には、上下の歯がふれただけで飛び上がるほど痛いということも。

 

歯にかかる強い力の原因はいろいろあります。

健康のために毎日アーモンドを食べるようになったら始まった、ストレスが溜まり、くいしばりや歯軋りがひどくなった、など。

 

近年話題の、TCH(Tooth Contacting Habit )の場合もあります。

これは、「歯列接触癖」の略で、上下の歯を”持続的に” 接触させる「くせ」のことをいいます。

 

ふだん、上下の歯が接触しているのが当たり前と思われがちですが、唇は閉じていても上下の歯はさわっていないのが正しい位置です。

それがいつのまにか、歯がさわってしまうくせができてしまうのです。

このくせが知覚過敏や、歯の痛みを引き起こします。

くせをなおすトレーニングをしたり、マウスピースが必要になる場合もあります。

 

まず、治療を急いだほうがよい状態なのかを診断してもらってください。

また、しみるからといって、すぐに神経を取らないことも大切です。

ご自身に合った一番良い治療方法を担当医と相談しましょう。

 

みなと歯科院長 工藤 仁
みなと歯科院長 工藤 仁